Learning by doing  | いのちがめぐる暮らし

まなび、めぐる暮らし

川に親しみ、川と生きる|NPO法人「未来の荒川をつくる会」

Learning by doing
実践しながら学ぶ|vol.10

tanetoのテーマの一つは「 – Learning by doing – 実践しながら学ぶこと」。環境問題に取り組みたいと思っても問題が複雑に思えて「何をしていいのか分からない」という声も多いなか、正解のないこの時代に進む道をみつけ、ひと足先に「めぐる暮らし」をはじめているあの人にお話を聞いてみるコーナーです。

今回お話を伺ったのは、飯野 正久さん


ボランティアは大人の遊び場!自然と釣りをこよなく愛する、NPO法人「未来の荒川をつくる会」会長


川に親しみ、川と生きる

首都圏の水源でもあり、名水の地としても知られる山梨県。富士川水系、相模川水系、多摩川水系の3つの水系から成る多くの川が流れています。その中でも、甲斐国の首都・甲府を支えてきた荒川を、次代を担う子どもたちに繋げようと発足したNPO法人「未来の荒川をつくる会」。現会長の飯野正久さんに未来へ紡ぎたい想いを伺いました。

“山紫水明”な荒川を目指して

昔は、カワセミやホタルが舞い、ヤマメ・メダカ・ザリガニなど多くの生物が共存していたという荒川。子ども時代に泳いだ経験がある同会の発足人たちも多いことから、澄んだ水が流れる当時の様子が伺えます。街中にいると気づかないけれど、確実に失われている生物多様性。6回目の生物大量絶滅時代といわれている今、身近なところでも変化が起きていました。


「僕は釣りをするんですけど、昔と比べたら確実に魚は減りましたね。鵜が増えて餌を求めて上流に来るようになり、小魚を食べてしまう。いろいろな対策がされていますが、定期的にゴミ拾いをしているとそうした変化がよくわかります」

この街の原風景にある美しい清流を取り戻し、子どもたちに誇れる郷土を残したいという想いから、平成21年7月に同会が発足。釣りが趣味で川に愛着のあった飯野さんも、発足当時から中心人物として活動しています。

「甲府の水がめであり、昔は荒川のおかげで甲府が栄えたなんていう人もいるほど、この川は重要資源の一つだったんですよね。観光の一端を担う可能性も秘めている荒川をそのままにしておくのはもったいない。環境整備をしながら、もっと市民、県民に関心を持ってもらおうというのが、会の目的です」


同会の活動は、月に一度の河川清掃による水資源保護のほか、川に親しみをもってもらえるよう「子ども水辺楽校」の開催や講演活動などの啓発活動なども実施。自然体験の機会が減少しつつあると言われる中、子たちにとっても親しみやすい同会のイベントは、いつも沢山の人で賑わっています。

2022年には、長年の活動が評価され、水資源保全功労者として、国土交通大臣より表彰を受けました。


地域の環境意識向上が問題解決の糸口に

同会の根底となる河川清掃は、年11回のスケジュールで、荒川沿川を巡回。地道な活動は地域住民にも伝わり、参加者も年々増加。早朝の活動にも関わらず、今では概ね80~150人ほどが集います。

「会発足時から続く河川清掃ももうすぐ150回を迎えます。当初は不法投棄も多く、自転車やバイク、時には工事用具や大型のタイヤまで落ちていました。法の整備が進み、大物は減りましたが、ペットボトルや缶、お菓子の袋などはいまだに多く、毎回2tトラック1台分はごみが出ているのが実情です」



ごみを減らすための糸口として、飯野さんが挙げたのは、“沿川の住民の意識向上”。近年話題のマイクロプラスチックなどの海ごみも河川からの流出が一因といわれ、自身が暮らす町の環境意識向上が、県、日本、ひいては世界の環境問題の解決に繋がっていくと考えています。子ども水辺楽校や講演活動は、そうした意識向上の一歩としても取り組んでいるのだとか。

「授業や部活動の一環で清掃に参加した学生が、“ごみを捨てようと思わなくなった”と打ち明けてくれたり、学生ボランティアの子が大人になって再び参加してくれたりすると本当に嬉しい。想いが巡っていくことで、‟未来に繋がる循環”が生まれるのかなと思います」

大人だからこそ、本気で楽しむ!


お話を伺う中で印象的だったのが、楽しそうな表情の飯野さん。

「コンセプトは、“大人の遊び場”なんですよ。辛いばっかりじゃ何事も続かないし、参加者同士の交流を楽しむのも河川清掃の醍醐味だと思います。活動外でキャンプやBBQなどをすることもあるし、子どもも大人も本気で遊ぶことは大事。片付けはもちろん大変ですけどね」と少年のように笑います。

長年同会が続くヒントは、参加してくれる人それぞれが楽しめる様にという想いが伝わっているからなのかもしれません。


また、協力体制の構築も重要視し、近年は地域の自治会長や市の職員、議員など行政も巻き込みながら、より地域に根差した活動を心がけています。

「河川や環境に対する問題は、他地域も同じです。以前よりも河川を守る団体が出てきましたし、地域の課題を自分ごととして捉えて行動する人が増えるといいですよね。ゆくゆくは他の団体さんといっしょに【河川環境サミット】を開催するのも面白そう!」と最後まで遊びを忘れません。

ゴミ拾いをすることで見えてくる地域の課題。

河川がきれいになることはもちろんですが、仲間が出来たり運動になって気持ちいいという声も。活動する中で世代を越えて一人一人の意識に変化が起こり、日常の選択を変えていくこと。そんな小さな積み重ねが未来にボジティブな変化を生み出してくれるのだと、飯野さんのお話の中で感じる事が出来ました。

現在同会では、荒川河川清掃隊の隊員募集中!ぜひみなさんも、活動に参加してみてくださいね。

未来の荒川をつくる会

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