Learning by doing  | いのちがめぐる暮らし

まなび、めぐる暮らし

縄文時代に学ぶ持続可能な暮らしとは|JOMONさんがやってきた!~キラキラ星プロジェクト~

Learning by doing
実践しながら学ぶ|vol.12

tanetoのテーマの一つは「 – Learning by doing – 実践しながら学ぶこと」。環境問題に取り組みたいと思っても問題が複雑に思えて「何をしていいのか分からない」という声も多いなか、正解のないこの時代に進む道をみつけ、ひと足先に「めぐる暮らし」をはじめているあの人にお話を聞いてみるコーナーです。

今回お話を伺ったのは、雨宮 国広さん。


丸木舟で世界を周りながら、すべての生き物たちが楽しく・仲良く・面白く暮らせる地球船にする「キラキラ星プロジェクト」実践中! Instagram @jomon.carpenter


縄文時代に学ぶ
持続可能な暮らしとは

自然と共存し、究極のサステナブルライフだったと言われる縄文時代。その暮らしのあり方がいま、注目を集めています。縄文大工や地球元気村講師として活躍し、まるで現代にタイムスリップしてきたかのような姿が大人気のJomonさん。

当時のライフスタイルを再現しながら、子ども達と一緒に一本の大きな杉の木から丸木舟を作り、海を旅しながら地球のゴミを拾う「Jomonさんがやってきた!〜キラキラ星プロジェクト〜 」も、いよいよ船が完成して航海の旅がスタート!「全ての生き物が幸せになる暮らしをしたい」と語るその思いを伺いました。


きっかけは、ゴミが生まれる仕組みへの違和感

元宮大工で建築士だったというJomonさん。大工仕事をしていた当時、鉄やアルミ、石膏ボード、防腐塗料や断熱材など、現代建築の中で生まれる有害物質が含まれた建築資材や、大量に出る廃棄物に胸を痛めていたことが、現在の活動につながっているそう。

シックハウス症候群への対策は昔よりされているものの、住宅が原因となって化学物質過敏症を発症するなど、建物にまつわる課題は未だに多く残されています。

「つくる時にもゴミを生み出し、古くなれば壊してまたゴミになってという…。そんな大量生産、大量消費の中に組み込まれた家づくりを続けていくことは、みんなの命を縮めるものづくりだと感じるようになって、これ以上やりたくないと思ったんです」

エコ時代と呼ばれる江戸時代より、縄文時代を選んだのは「人間も自然の一部として存在し、ゴミを出さない暮らしをしていたから」とのこと。


杉さんと交わした約束のために

このプロジェクトには、「みんなが住む地球船を綺麗な環境に整えたい、政府の動きを大きく変えられるようなプロジェクトにしたい」という大きなゴールがあるそう。そこには、森の木を切り倒し船へと形を変えた、樹齢250年の杉さんとの約束が大きく関わっています。

その約束は「すべての生き物たちが楽しく、仲良く、面白く暮らせる地球船にする」こと。「みんなで唯一無二のものを命がけで作ろうとするからこそ、人の心を動かすことができる」とJomonさんは語ります。



プロジェクトに参加する大半が小学生ということもあり、巨大な木を切ることはハラハラドキドキで大変だったけれど、丸木舟を作る際に一番大変だった刃物を扱う作業も、子どもたちが成長できる体験でもあったと感じたそう。海は何が起きるかわからないところも大きな魅力だと語る、ワクワクした姿が印象的でした。 

Jomonさんの願い

「未来の全ての生き物たちが、豊かで暮らせるようにする」という、Jomonさんの願いが詰まったこの言葉。

「生き物たちにも未来があるわけで、そこに必要なものは、間違いなく自然の恵みであると考えています。その中で今、一番空気と水が汚染されてるという深刻な状況をしっかりと理解しなきゃいけないんですよね」

環境省の調べによると、年間800万トンの海洋ごみが発生しているという現代。2050年にはごみの量が魚を上回るかもしれないと言われている今、私たちの今の暮らしを変えることの重要性を訴えていました。

多くの場所で「地球温暖化を止めよう!」「環境に配慮した行動を!」とポスターなどで騒がれていますが、「誰かがやってくれるでしょ。自分には関係のないことだ」と、自分ごとにできてない人が多くいることも事実なのかもしれません。

「環境問題は、人間の命より重要度が低いものと思われがちです。だけど、こうした汚染は人間がやってきたことだから、わたしたちにしか変えられない」



jomonさんの話を聞きながら、こうした思いが私たち人間の暮らしのあり方を改めて考えるきっかけになるのではないかと思いました。環境の立場に立って考えてみると、自分たちのすみかに土足で入られ、壊されていくのと同じではないでしょうか。

「ゴミを自分の家や庭に捨てないでしょう?どこかへ運んで見えなくなって、なかったことになってしまう。でも、広く意識すればこの地球が僕たちの家なんです。土に還らない危険なものは、いわば毒。リサイクルではなく、ゴミを作らないことが大切なんです」と、教えてくれました。


Jomonさんがやってきた!

活動のキャッチコピーでもある、「Jomonさんがやってきた!」の「やってきた」という言葉には、縄文人が長い年月をかけて持続可能な暮らしを築いてきたという意味が込められているそうです。

遠い遠い昔の人が、築き上げてきた暮らしには、たくさんの知恵があります。そして、その知恵をどのように生かすかは、これからを担う私たちにかかっています。

「やってみてどうなるかわからないけど、一歩一歩前へ進んでいく。我々の世代だけでは出来ません。何世代にも渡って協力してもらい、行動を積み重ねることが必要です。自分たちの暮らしを自分たちの手で良い方向へと変えていく。汚いところで生物多様性は、生まれません」。私たちの目をまっすぐ見つめ、そう訴えました。



「今までやってきたことは、消えないし、消せない。何事も、希望を楽しさに変えていくことが重要です。私たちにできることはいくらでもあります」

Jomonさんのこの言葉は、環境活動を始めたばかりの私の胸に深く刺さりました。この自分の小さな手で地球のために何かできるのなら、やる価値は十分にあると思います。

皆さんも一緒に、自分の未来のために身近なことから、環境問題について考えてみませんか。

JOMONさんがやってきた!~キラキラ星プロジェクト~

海野 みら|@_mira.1212
地元ラブな18歳の県内大学生。アースデイ山梨ユース所属。fm八ヶ岳パーソナリティ。興味関心分野は、まちづくりと環境問題。


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