生き物を、「野生」と、人が育てるものとで区別することがあります。でも、その区別って、自然界の側から見たらどれくらい意味があるのでしょう? 街の側溝も歩道の割れ目も、動植物が生きる舞台です。そして、私たち人間の体も。
人間の内側と外側には、人ひとり分の細胞数を上回る数の微生物が住んでいます。人体は、胞子や藻類、細菌、花粉、ウイルスと密接につながり合った生態系です。そもそも自然界には、「個」なんて存在しないのかも。ひとりのウェルビーイングは、生物界のウェルビーイングと切り離せないのです。
自分自身の内と外に広がる生態系を破壊するのではなく、守ること。それによって再生する生命のことを、ここではお話ししていきます。