たねまき日記|vol.8
taneto編集部での裏側やイベントなどの記録として、「たねまき日記」をはじめてみました。きまぐれな編集長とゆかいな仲間たちがときたまつぶやきます。今回はtane laboイベントの某記録。人が集うことで対話から生まれるものをちゃんと育てていきたいと感じた1日でした。

仲間っていいですよね
最近、tanetoは県の事業なの?と聞かれることが増えましたが、私たちは有志で集まる任意団体です。tanetoの裏側は今でも手作り感満載。ヒリヒリしながら裏方で頑張ってくれる仲間たちに支えられてます。
2025.2.2に開催したtane laboイベントが無事に終了しました…!正直なところ、環境を全面に出した保全がテーマのイベントにどれくらいの方にきていただけるのかすごく不安だったのですが、入れ替わり立ち替わり100名を超える方にお越しいただいて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

午前中は「小さな生命、大きな未来」の上映会。「調べれば情報がたくさん出てくる時代だからこそ、自分の言葉で語れるか、それがすごく大事だと思った」。そう話す成田さんの言葉に、とても共感しました。メディアとしてみたらなんの経験もない私が、tanetoを立ち上げて取材を始めたのも、身近に何が起きていて何ができるのか知らないと語ることはできないと感じたから。
それでも、ただ伝えるだけでは足りないし、何よりもその場で話を聞いて体験することの方が遥かに学びが大きくて、自分ごとになっていくんですよね。私も取材をしていただくことが増えましたが、記事になるのはどうやっても話したことのほんの一部でしかないし、伝えきれないこともたくさん。
でも、伝えようと思うとその時点で違うものになってしまう気がする時もあるんですよね。
なので、tane laboでこれからしていきたいのは、みんなで現地に行って、その場でしか感じられない言葉になる前の感覚を体験する場をつくること。誰かの正解じゃなくて、対話の中で気づく自分の声に耳を澄ますことができる場所をつくりたいと思っています。
たとえ小さな力だとしても集まれば大きな力になることを、映画を通して感じてくださった方もたくさん。

会場には環境省の方をはじめとした行政機関の方や議員さん、研究者の方、農家さんやクリエイター、小さな子を連れたお母さんや学生の子たち。本当にさまざまな方が来てくださって、立場を超えて語り合うことの一歩をやっと踏み出せた気がしました。有機農家の石井さん、山祇Gibierの田邊さん、キープ協会酪農事業部の高橋さん、富士山科学研究所の安田先生のお話の続きが気になる方は、ぜひtanetoの公開取材でご一緒しましょうー!
それぞれの視点を持ち寄って、教えるのではなく一緒に学んでいく。フラットな関係性のなかで、人と人、人と自然のつながりを感じられるようなそんな場にしたいと計画中です。

人と自然のつながりを取り戻すとはなにか?
さて、今回なぜこのタイトルにしたかというと、最近「身近にある大切だと思う自然を書いてください」というフレームワークをしているんですが、大事な自然ってなんだろうって、書けない人が多かったんです。
この「大切だと思う自然が書けない」ということに私自身もびっくりしたんですが、これってなんでだろうと思うと、蛇口をひねれば水が出て、スイッチひとつで電気が使えて、スーパーに行けば食べ物が並んでいる。人の手を介したサービスとして自然の恩恵をあたり前に受け取ってるから、自然を自然だと認識できてないのかもしれないと感じました。
幼児教育をされている方の講演の中で、「子どもの声をうるさいと感じるのは子どもとの距離が離れているから」というお話しがあったんですが、これは自然も同じで、自然を大切にできないのは自然との距離が離れているからではないかなと。
なので、環境のために何をするかも大事だけど、なんで自然って大事なんだっけ?という、そもそもこの環境があるから生きているという根本的なことに立ち返るきっかけが必要だと思ったんです。

オーバーテクノロジーという現代病
高橋さんや安田先生からは、「牛が暑すぎて牛舎から出ない、木陰で休んでいる」というお話があったのですが、今行っている気候変動のアンケート調査の中でも、子どもたちが暑すぎてプールに入れない、サッカーの練習ができない、土壌が乾燥していたり今まで通り種を蒔くだけでは芽が出なくなってるという、いろんな声がありました。
私の住む山梨県勝沼町は、日本一の暑さを記録することもある地域。まさに気候変動の影響を最前線で経験している場所と言えるのに、それでもなぜ大半の方が関心がないのかとても不思議でしたが、自分の日常の生活を振り返ってみれば、エアコンをつければ暑さを感じずに過ごせてしまうというのも大きくて、「オーバーテクノロジーだよね」という安田先生の言葉にとても納得したんです。
テクノロジーというと機械をイメージしがちですが、人の技術もそのなかのひとつ。この暑さの中でも農家さんたちの努力で変わらずスーパーに野菜や牛乳は並んでいるけれど、いまは技術でカバーできてるだけなのかも知れない。
今回改めて思ったのは、一次産業に携わる方ほど気候変動の影響を直に感じているし変化を目の当たりにしているけれど、自然に関わることが少ないと今は何も困らずに過ごせてしまうということ。だからこそ、目の前で起きていることを知りそれぞれの立場から語り合うことが、何よりも大切だと実感した1日でした。

こちらはイベント終了後の交流会でのひとこま。どーしてもシリアスになりがちな課題だからこそ、支え合えるポジティブな関係性を地域で広げていくことが大切なのだと思います。
イベントにご参加くださったみなさま、本当にありがとうございました!公開取材に参加したい方は、tanetoからのお知らせをお見逃しなく…!社会実装のためにできることをぜひ一緒に考えて見ませんか。
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岩崎 舞|@taneto_mai
エシカルメディア「taneto」編集長。山梨在住、2児の母。セラピスト歴18年。憧れの起業家はYAMAPの春山さん。人生の物語りと哲学、めんどくさくて泥臭いことが好き。
\ 山梨にエシカルなお店がこんなにあるって知ってた? /

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