山梨でみつけるエシカルな暮らし

まなび、めぐる暮らし

食卓から始まるエコな暮らし-生活クラブ

Learning by doing
実践しながら学ぶ|vol.16

tanetoのテーマの一つは「 – Learning by doing – 実践しながら学ぶこと」。環境問題に取り組みたいと思っても問題が複雑に思えて「何をしていいのか分からない」という声も多いなか、正解のないこの時代に進む道をみつけ、ひと足先に「めぐる暮らし」をはじめているあの人にお話を聞いてみるコーナーです。

*この記事はMiraiプロジェクトとのコラボレーションでお届けしています

今回お話を伺ったのは、生活クラブ生協のみなさん


生活クラブは42万世帯に安心の食材をお届けしている生活協同組合です。食だけではなく地域に根ざした取り組みなども幅広く行なっています。
Instagram @seikatsuclub_yamanashi


みなさんはいつもの食事が安全かどうか、気になったことはありませんか?

スーパーの棚に並ぶ食品は便利で手軽な一方、食品添加物や遺伝子組み換え作物など、気になる問題も少なくありません。そんな中、「安全なものを食べたい」「環境にやさしい生活がしたい」という主婦の思いから立ち上がったのが「生活クラブ」でした。 

今回お話を伺ったのは、山梨で運営に携わる組合員のみなさん。生活クラブ山梨での活動を中心に、その取り組みをご紹介します!

みんなでつくる生活クラブ

Q. 生活クラブさんでは環境に配慮した取り組みをたくさんされているとのことですが、どのようなことをしているのでしょうか?

A. 私たち自分たちの生活をみんなでよりよくしていくために、利益を目的としない形で事業を行っています。営利を第一の目的とする一般の企業とは違って、組合員の「出資」「利用」「運営」によって成り立っていることが特徴です。食の安全はもちろん、環境を守ることや地域の人たちとつながることまで、幅広いかたちで持続可能な社会づくりに取り組んでいます。

活動を通していろいろな方と関わる中で、食べる責任や使う責任を考えていくようになりました。自分たちが次の世代に残していきたいような社会を作っていくことを、ひとつひとつ積み重ねていって今につながっているんだと思います。

安心・安全な食べ物を届けること

Q. 食に関しての取り組みにはどのようなものがありますか?

A. 山梨では「八ヶ岳やさい倶楽部」という農家さんのグループと協力して、無農薬や有機栽培の新鮮な野菜をお届けしているのですが、他にも地元のとうふ屋さんと一緒に組合員の要望に応えた肉厚の油揚げを開発したり、生産者と消費者が一緒になって開発をしています。


作らせるのではなく、一緒に商品を開発する。そうすることで生産者の方の大変さがわかったり、私たちも実際に工場に入ることで食品ができる過程を知ることができたり、一緒に学びながら関わることで、より健康や環境のことを考えた仕組みを作ってきました。信頼関係があるからこそできることで、90%がオリジナルのものなんです。 

野菜や豆腐、うどんの麺やお米、納豆などの食品は、山梨独自の消費材で地産地消をしています。この取り組みも、「安全な食べ物を食べたい」という組合員の思いからうまれました。

環境に優しい容器を使うこと

Q. 環境への取り組みにはどのようなものがありますか?

A. たくさんありますが、まずグリーンシステムという、牛乳瓶や調味料の瓶を使い捨てせずに、そのまま洗って使うことで再利用しているリユース容器の取り組みがあります。


有価物として集めるのではなくもう1回瓶として使うことで、なるべくゴミを出さずにより環境に優しく再利用できます。何回も繰り返し使えば使うほどCO2の削減効果が高くなり、5回以上繰り返し使うことで他のどの容器よりも一番環境負荷が低くなります。容器のほとんどのものがリユースやリサイクルされていて、牛乳瓶の蓋を溶かしてゴミ袋にしたり、卵のパックやカタログも回収しています。

再生可能エネルギーを広めること

Q. たくさんの取り組みがある中で、特に力を入れていることは何ですか?

A. 最近はエネルギー問題にも取り組んでいます。わたしたちは太陽の光や風の力などの(再生可能)エネルギーを使った電力を広めたくて電力会社をたちあげました。組合員はこの電力会社から電気を買うことで、エネルギー問題という大きな課題に、日々の暮らしの中で参加することができます。
 

 

 食品ロスをなくすこと

Q. 食品ロスに関する取り組みにはどのようなものがありますか?

A. 2ヶ月に1回ほどですが、余った食品を集めて、子ども食堂や大学生、母子家庭などに届ける「フードドライブ」という活動をしています。また、「おふくわけ」という取り組みもしています。これは、組合員が注文した数の食品が必要としている人に届く新しい仕組みです。購入した食品が、誰かの役に立つ。新しいおすそ分けの形なんですよ。

 

 地域のつながりをつくること

Q. 地域との関わりにはどういったものがありますか?

A. 各地域ごとに拠点があり、料理教室や映画上映会、マルシェなどのイベントを開催しています。このような場所で組合員同士が交流したり、環境問題について学んだり、農家さんの畑に行って野菜の収穫を手伝うこともあるんですよ。土に触れながら農家さんと話をすることで、食べ物がどうやって作られているのか直接感じることができるんです。コミュニケーションや人とのつながりが、最近のテーマにもなってきていますね。



みんなで運営すること 

Q. 運営はどのような形で行なっているのですか?

A. 組合員みんなで行なっています。新しい商品を作るときも理事会でのお金の話も、組合員と共有して意見を聞いて決めているんです。働きかたも、新しくチャレンジしたいことを見つけたときも、話し合って自分たちで決められる仕組みになっています。

配達や加工などの仕事を組合員自身が行なう「ワーカーズ」という仕組みもあります。自分たちの仕事を自分たちで作るんです。1人だとできなくても、みんなでやればできることって沢山ありますよね。仕事がいそがしかったり、いろいろな理由で自分では活動できないときでも、毎月100円を寄付することで誰かの活動を応援することもできるし、色んな参加の仕方があるんですよ。

生活クラブ自体が大きなシステム化された企業だと思われることも多いですが、地域に根ざしているからこその温かさあって、自分たちで仕組みを柔軟に変えていける。ライフスタイルに合わせて関わり方を選べるから続けやすいですし、いろいろなことをみんなで学べるし、なにより楽しい。この取り組みに関わっている事自体が、生きがいというか、やりがいにつながっていますね。


安心・安全な食を食べることによって、次の世代に少しでも良い世の中を残していくことに貢献できる生活クラブ。食やエネルギーだけでなく、福祉も自分たちで取り組もうと活動の幅を広げ、助け合いの輪を山梨に広げています。

将来の目標は、福祉も自分たちでやっていくこと。生活クラブの活動は、私たちの毎日の生活が少しずつ世界を変えていくことを教えてくれました。生活クラブの取り組みを知ることで、私たちも日々の暮らしを少し見つめ直すきっかけになるかもしれません。「自分にも何かできるかも」そんな気持ちで、身近なところから始めて見るのはいかがでしょうか?

詳細はぜひHPからチェックしてみてくださいね!

生活クラブ生協 山梨

〒400-0832 山梨県甲府市増坪町477
TEL 055-241-1641
HP https://yamanashi.seikatsuclub.coop
Instagram @seikatsuclub_yamanashi

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